交配実験と種子播種

Nuphar-love2006-05-21

 朝から久しぶりに自分の研究に時間を割きました.九州のナガエジャニンジンとジャニンジンを掛け合わせ.あまりに花が小さいので実体顕微鏡下で作業を行いました.ちゃんと処理できているか不安.数花しか処理を施せなかったし,失敗していそう.
 その後,ナガエジャニンジン,ジャニンジン9系統の種子を播種.早く芽をだしておくれ.


 それ以外はカワヂシャ類の花粉を観察.なぜか上手く観察できず.はて?

3つ質問

 今日は質問を3つ受けました.
 1.シソ科の園芸種・・・写真での同定依頼.情報不足です.たぶんそうだろうという属名を回答.
 2.家の周りに生えている外来種・・・ユウゲショウとメマツヨイグサ.その他,植物の栽培方法について回答.持ってきた植物を持ち帰って山に植えつけるというので,ちょっとそれはやめましょうね,と優しくレクチャー
 3.ドイツ産シナノキ科・・・ドイツで拾ってきた植物を同定して欲しい,ということで無理かと思いながらも調べたら,形質の記述が合致する植物発見.ユーラシア大陸に広く分布するTilia tomentosaでした.質問者にも満足していただいて,一安心.

移入アサザ(長花柱花)

 写真はI井学芸員採集の奈良県産だと思っていたアサザ(博物館植栽株).
 大和川展が近づいてきて,資料を作る必要が出てきているのでアサザの資料を準備をしていると,I井学芸員から「アサザは植栽らしい」と報告を受けました.産地の近くの人に話を聞くと,どうやら近くの農家の方がどこかから購入したアサザを家の鉢では余ったからと,ため池に放したらしい.そんなことしちゃだめですよ.公表する前に発覚して良かった.ネイチャースタディの表紙にしようかとも考えていたのでドキッとしました.
 ちなみにアサザは種子表面に突起があり鳥散布します.長い年月かけて出来てきた地理的構造がめちゃくちゃになっちゃいますよ.気をつけようね.そもそも売る側も産地をはっきりさせて売るように義務付ける必要があると思う.