外来甲虫による葉の食害は在来昆虫による種子食害を抑制する

 今日はプログレスミーティングの後はIさんによるメマツヨイグサOenothera biennisと植食性昆虫との関係の論文紹介がありました。北米ではメマツヨイグサは在来で、これに対して侵入種であるマメコガネPopillia japonicaが葉を食害しているらしい。食害を受けるとメマツヨイグサの葉や花芽ではジャスモン酸の濃度が上昇し、摂食阻害物質の一種であるエラジタンニンの濃度も上pe昇。結果として、花芽や果実の在来スペシャリストによる食害が抑えられるという話でした。マメコガネが侵入して数十年でしょうから、この誘導抵抗性はその間に獲得されたものなのでしょうか。マメコガネが侵入していない地域では食害されまくりなんでしょうか。日本ではどうなんでしょう。妄想が掻き立てられる楽しいひと時でした。

McArt et al., 2013.
Leaf herbivory increases plant fitness via induced resistance to seed predators.
Ecology 94(4): 966-975.

 
 これ以外にはN君による『発芽生物学(文一総合出版)』の輪読。「第7章 落葉広葉樹の発芽タイミング-集中と分散、どちらが得か?」でした。今回もなかなか勉強になる話でした。お疲れさま。