県下生物・岩石標本展の審査

標本の審査の様子

 今日は県下生物・岩石標本展の審査に長岡に行ってきました。何回も紹介しているようにこの標本展は長岡市立科学博物館が主催していて今年で61回を数える由緒正しい標本展です。この展覧会から巣立った研究者もいます。わたしも中学生まで出展していた縁もあり、今年から植物部門の審査員として加わることになりました。
 部門別の出展数は植物46、昆虫33、その他の動物17、岩石・化石13、自然写真37の合計146作品。この数字はあくまで出品した作品の数(=出品者の数)。植物の場合は小学生なら一人標本50点、中学生なら100点までの標本を出すことができます。昆虫は小学校なら標本箱5箱、中学生なら8箱。結構な量になります。
 私は植物分野の担当なので、他の審査員4人とともに手分けをして評価をしました。流れとしては見る作品を分担し、評価をして、出品者へのコメントを書き(これが素晴らしいと思う、ホント。私も小さいときは書いてもらって嬉しかった)、最後に審査員でそれぞれの評価を持ち寄り、実際に標本を改めて見直しながら賞を決める、という感じ。昆虫部門は標本を全員で見ることができることもあり、先に皆で眺めて賞を決めていました。
 特定の作品について評価することは避けようと思いますが、植物部門ではきちんと標本を作って、一枚一枚ビニールに入れているものが多く、とても好感が持てました。博物館に収蔵してもいいレベルのものもあります。ただ、ラベル(の書き方)がよくない。ザックリと地名が書いてあるだけ。しかし、これはあらかじめ印字されている台紙を利用している弊害だと思いました。記入する欄が小さすぎます。こちらが県名から細かく書け、といってもおそらく細かい地名まで書こうとするとはみ出てしまうでしょう。もっとラベルの項目のスペースを広くとって色々と書き込めるようにした方がいいと思いました。つまり、ラベルに印字する時点で「気づいたこと」など具体的に項目を作っておけば児童もおのずと標本に色々と書き込むようになると思うのです。中学生の作品などにはもっと標本の台紙を有効に利用してね、とコメントしたのでした。
 この標本展ではレポートの提出を義務付けているのですが、インターネットから孫引きしているものも目立ちました。実際に自分の眼で見たことが書いてある、という点では小学生の方が見ごたえがあったかも。
 あと、植物の学芸員のSさんに出品者や観覧者に「これがイケてる標本だ」というものもちゃんと展示した方がよいのではないか、と進言しました。・・・教育学部の学生さんに実習で作成してもらってる標本をここに出してもらうというのもいいかもしれません(参考作品という形で)。小中学生の出品者にも参考にしてもらえると思うし、提出する学生側も励みになるし、先生の卵である学生に標本展を強制的に見せることになるので、将来の子どもたちの出品数増加に繋がるかもしれません。いいアイデアかも。