頸城湖沼群調査

ハス群落

 講義を終えて、すぐにキャプテンとサンプリングのために頸城湖沼群(上越市)へ。
 キャプテンの卒業研究は標本種子を蒔きだして、どのような種、採集年代なら標本の種子から個体群を復元できるのかを明らかにする、というものです。ただ、すでに作られた標本はどのような方法で作られたものなのかははっきりしないので、生存していても、種の特徴によるものなのか、個体の特徴によるものなのか、作製方法によるものなのか、管理方法によるものなのか、はたまたその全てなのかはっきりしません。
 そこで、先は長いのですが実際に幾つかの条件で標本を作製して数年おきに蒔きだしてみて種子の生存率を調べようと考えています。一回セットを作ってしまえばあとはひたすら数年おきにチェックすれば良いので10年くらい経てば良い論文が書けると夢想しています(学生実験に組み込んでしまえばいいかしら、と思っています)。そして、最終的には種子を生かすような標本作成方法、管理方法を世間に根付かせようというのが目標です。
 長くなりました。で、今日はカンガレイ、ホシクサ、カキツバタの種子を集めるために頸城湖沼群にやってきました。ここは海岸砂丘にため池、砂丘湖が複数並んでいて、水草相がとても豊かです。実は私の卒業研究の調査地でもあります。10年以上経つと変わるもので、私が調査した2000年にはほぼ水草が皆無だった池が沈水植物まみれになっていたり、池全体を覆っていたハスがほぼ全て消えたのに、また同じぐらいの群落サイズに回復していたりしていました。12年でも劇的に植生が変化するものです。再度調査すべし、と強く思ったのでした。
 ああ、キャプテンとのサンプリングはカキツバタ以外は無事になんとかなりました。今日の写真はハス群落を前にたそがれるキャプテン。鵜ノ池(新潟県上越市)にて撮影。