世界で2本目のシロミノヤブムラサキ

大阪府のシロミノヤブムラサキ

 今日は大阪府内某所にシロミノヤブムラサキCallicarpa mollis Siebold et Zucc. f. albifructa Nanko【Nanko & Fukuoka in J. P. T. 42: 37, f. 1 (1994). Type: Hyogo, Mikuma-yama, Sumoto City (S.Nanko, 10 Nov. 1993, KYO -Holo, SHO -Iso)】を調査に行きました。この種はヤブムラサキの白花、白色の果実を付ける品種で(ヤブムラサキは紫色の花と果実を付けます)、1994年に淡路島の三熊山にある一株を元に記載されました。洲本市では市の天然記念物になっています。
 さて、今回は三熊山ではなくて大阪府での話しです。昨年終わりごろに府民の方からシロミノヤブムラサキだろうか?と質問されたことにはじまります。写真で確認した時点でシロミノヤブムラサキであろう思ったのですが、現地で確認して標本を採集してからと思い、このブログにも書かずにいました。で、ようやく半年近くたって確認してきましたが、まさにシロミノヤブムラサキの記述通りの形態です。秋にも果実を確認したいと思います。世界で三熊山に一株だけ、という話だけれど少なくとも大阪府には数株あることがわかりました。
 生育地は有名なトレッキングルートなのですが、誰も気づかなかったようです。気づいたSさんが本当に素晴らしい。共著でどこかに報告を書きたいと思います。
 系統保存にもなるし、園芸的な価値もあるので、採集してきた株の一部は挿し木で増やしてみようと思います。うまくいくといいなぁ。種子からの栽培もお願いしてしてもらおうかと思います。