ヒメコウホネデータの仮解析

東御苑のヒメコウホネ

 今日は休日です。自宅でヒメコウホネのデータの仮解析をしていました。データをまだ全て取り終えたわけではないのですが、明日はK大学でプロジェクトの報告会があるようで、私のデータも送る必要があります。
 さて、15集団474個体について13遺伝子座を調べたのですが、どうやら90クローン程度はある様子。系統樹を書くと綺麗に(三重県:(愛知:岐阜))とまとまります。過去のアロザイムデータと同様の結果で、形態から見ても予想通りです。ただ、Structureなどの解析をかけると愛知県や岐阜県と同じクラスターに含まれる集団が三重県にもあるというのが少し驚き。確かに形態は小型で岐阜県や愛知県のものによく似ています。
 あとは皇居東御苑ヒメコウホネは愛知県4集団のクレードに含まれ単系統でした。以前から東御苑のものを含めて東京都のヒメコウホネは本当に自生なのかが牧野富太郎の時代から疑問視されていましたが、今回の結果は愛知周辺のどこかから献上されたものであることを支持するものでした。東御苑のものは吹上御苑の大きな群落から移植されたものという話しですから、ここをもう少し詳しく調べたいところです。


写真は皇居東御苑ヒメコウホネ。2005年7月19日に撮影。当たり前ですが、東御苑では宮内庁の許可をえて職員立会いのもとサンプリングを含めた調査を行いました。勝手に株を引っこ抜いてはいけませんからね。