18年前の標本種子から発芽

発芽したスズサイコの標本種子(1994年

 1994年に採集されたスズサイコの標本種子が発芽しました。約18年前の標本になります。これまで発芽した標本種子の最も古いものでもカワツルモの10年ですから、大幅記録更新です(ちなみにテトラゾリウム染色で染まるものの中で最も古いものは50年前のカワツルモの標本)。ところが、2000年以降に採集されたスズサイコの最近の標本種子は現段階では発芽していません。やはり、標本をつくる際の植物体の選び方、標本の作り方、その後の管理の仕方が種子の生存にかなり影響を与えているようです。
 キャプテン、よくやった!と誉めつつも、一番偉いのはこの標本を作製されたMさんだなぁと思ったのでした。
 そう考えてみると、今回の研究を進めていくうちに、関西の植物屋の中で「誰が作ったものが生存率が高いのか」、というなんだか恐ろしいデータも出てしまいます。とはいえ、生存率が高い標本をつくっている方々と、生存率が低い標本をつくられた方々に対して、標本作製方法についてヒアリングしてみることは、今後の標本作製技術の向上には重要だと思います。実際にキャプテンに色々な方法で標本を作ってもらって発芽率を比較するつもりではいますが、ヒアリングの仕事も必要だと感じたのでした。