標本種子から発芽!

コガマの標本の種子からの発芽

 現在、さく葉標本から種子を採取して、発芽試験をしています。絶滅してしまった集団でも、標本で種子が残っていれば、そこから絶滅集団を復元できるかもしれないと考えたからです。土壌シードバンクの活用が不可能な場所では有効な絶滅集団の復元方法になるのでないかと夢想していました。
 ・・・と書くのは簡単なのですが、種ごとに発芽特性も、種子の寿命も違うし、作製した時の方法、これまでの保存環境も標本ごとに異なります。研究するきっかけになったミズアオイの標本の種子が発芽することはわかっていたものの、本当に手探りな状態で、これまで30種くらい試験してきましたが全然だめでした。これでは学会発表もできないなぁ、と思っていたのですが、本日コガマさんとホシクサくんが発芽しましたーーー。嬉しいー。比較的新しい標本でしたが、それでも発芽するものがちゃんとあることがわかったので大きな一歩です。分類学会はこのネタでいこうと思います。
 写真はコガマの発芽した種子。もとの標本は奈良県御杖村産の標本(2007年9月採集;OSA245721)。