国際メタセコイアシンポジウム2日目

メタセコイア

 今日は国際メタセコイアシンポジウム2日目でした。参加者は昨日、屋形船で懇親会だったようで、朝のセッションはガラガラ。あぁ、私も屋形船の宴会に行きたかったなぁ。
 今日のセッションで特に面白かったのは保全の話です。メタセコイアは世界各地で栽培されていますが、もともとの産地の中国では、野生木は6000本もなく、絶滅が危惧される状況になっています。驚いたことに雲南大学の人の話だと、生きたメタセコイアが発見されたあとに行われた現地植生調査と近年のものを比較すると、現在では野生地には若い木は全く無く、40年以上実生からの更新が野外では起こっていないとのことでした。実生からの更新がほとんど無いことの理由としては、人による大規模なかく乱の影響が大きいということだったのですが、ほんとかな。どちらにしても、発芽はほとんどないもよう。日本では普通に発芽して、実生が育つのに。
 メタセコイアは中国では水杉という名前で呼ばれ、「中国的国宝」、「植物界的大熊猫」としてとても愛されている植物のようです。ジャイアントパンダ級ということは1億円で中国に木を貸したらいいのではないかと。冗談はさておき、今回のシンポジウムの発表では中国人の発表が目立つとともに、中国人がからんだ議論がとても白熱していました。現存している本数が54・・本、539・本、57・・本のどれが本当かでもめる始末。5000本〜6000本でいいんじゃないかなぁ。こういうのは全個体ジェノタイピング(ユビキタスジェノタイピング)向きの題材なんでしょうが(RAPDやAFLPでは調べられているみたい)、日本人が手を出すとものすごいたたかれるんでしょうねぇ、きっと。
 写真はメタセコイア万博記念公園でT学芸員が撮影。