ムジナモAldrovanda vesiculosa L.

 今日の水草はムジナモAldrovanda vesiculosa L.の標本です。言わずと知れた、牧野富太郎によって発見された浮遊植物で補虫嚢をもつ食虫植物です。1960年代後半に埼玉県の最後の生育地で失われて、現在では、野生絶滅したと考えられています(野生化している場所はある)。
 写真の標本は三木茂博士が1925年に京都の巨椋池で採集したムジナモです。過去に深泥池にも記録はありますが、これは三木博士が巨椋池のムジナモを導入したものです。国内移入じゃん、ということなんですが、そこは博士も報文のなかで「御理解をいただきたい」と書き残しています。ちなみに、深泥池では現在消えてしまっており、この集団由来の個体が近畿のとある場所に導入されていて野生化して残っています。