ジャイアント・ミスカンザス(giant miscanthus = Miscanthus × giganteus J.M.Greef & Deuter ex Hodk. & Renvoize)

 今日(たぶん)の朝日新聞の夕刊にジャイアント・ミスカンザス(イネ科)がバイオ燃料として将来有望であるという記事が出ていました。で、現実逃避がてら海外のサイトなども調べてみました。食料生産に影響は無いでしょうし、雑種ということで稔性が無く、種子が飛散して各地に雑草化して広がることも可能性としては少なく、トウモロコシの代わりとしては適しているのでは、と思わせる記事でした。"giant miscanthus has produced more than double the biomass of upland switchgrass per unit area"と書いてあるのをみるととっても有望そう。
 私の興味としては、このジャイアント・ミスカンザスがススキM. sinensis Anderss.とオギM. sacchariflorus (Maxim.) Hackの雑種だということです(下の3つめのPDFファイル参照)。"giant miscanthus is a hybrid believed to have M. sinensis Anderss. (a diploid species) and M. sacchariflorus (Maxim.) Hack (a tetraploid species) as its parents."野外でススキとオギが混生している状況をよく見かけますが、雑種は見たことはありません。というか認識できていなかっただけなのでしょうか??記載論文の情報を調べると1993に裸名で記載され、2001年に再度記載されているようです。タイプはキュー植物園の栽培株のようですから、やっぱり自然にはあまりない??ちなみにジャイアント・ミスカンザスは不稔なので、根茎を植えて増やすようで、その点はトウモロコシなどに比べて大変なようです。根茎の写真をみると、オギよりも短く、ススキよりは明らかにはっきりした根茎を作っています。やっぱり雑種なんですねぇ。
 鵜殿を含めて河川に発達するオギ原も焼く以外にも一部はこういった活用の仕方も考えてもいいのかもしれませんね。


 写真はオギ。2003年10月20日兵庫県篠山市にて撮影。


[参考]
バイオエタノール界に救世主? 「ジャイアント・ミスカンザス」-米調査
新燃料の可能性を秘めるハイブリッド品種(米国)(PDFファイル)
Giant Miscanthus: Biomass Crop for Illinois(PDFファイル)
Better Than Switchgrass