研究室の扉を開けておく

扉を開けると汚い研究室が・・・

 今日も朝から荷解きをして終わりました。おかげで自分の研究室はほぼ終わりました。標本や実験道具、調査道具は出してないので、まだまだ先は長いのですが調べ物をする分にはほとんど問題がなくなりました。
 で、文献を整理していたら大学生の時にお世話になった先生からいただいた別刷りが出てきて、読んでいるとこんなことが書いてありました。以下は、その先生の最終講義を文章にまとめた報文を抜粋したものです。

 現在の日本の大学の研究室の構造は,一人一人が研究室を持ち,それもドアーを閉ざして,それぞれの城をつくる傾向にあります.(中略)大学の研究室は,共通のコミュニケーションを阻害するような構造になっています.
 大学に研究室をもらってからも,その閉鎖的な雰囲気をきらって,いつでも研究室のドアーをあけておき,だれでも自由に出入りできるように心がけました.私の研究室のドアーが,冬のさむい時期でも開いているのは,そのような理由があったからです.
 (中略)それぞれの研究室のドアーを開け放しにすることから,はじめたらいかがでしょうか.

柴崎達雄,1998.自然環境科学科で環境科学を学ぶために−若い学生諸君に望みを託して−.地学教育と科学運動 特別号2:53-62.

 博物館に勤めているときはどの研究室も部屋の扉が開けっ放しでした。おかげで、研究室間の出入りは自由にできましたし、気軽に相談できる環境になっていました。大学に来て各研究室が隔離されている感じがしていたのですが、なるほど、各研究室の扉が閉まっているからなのだと改めて思いました(まあ、閉めているのは当たり前とは思うけれど)。
 ということで、私の仕事部屋は在室時には扉をあけておくことにしました。・・・しかし、この時期に開け放しておくと寒い・・・。