ガマの分類

 出身研究室に折角よったので、院生の皆さんに今何を研究しているのかを聞いて回りました。
 で、M2のKさんからガマTyphaの分類について教えていただきました。ヒメガマについて神奈川県植物誌(2001)などではT. angustifolia L.(ホソバヒメガマ)とT. domingensis Pers.(ヒメガマ)の二つに分けて認識すべきという見解が出されています。この2種は葉鞘内面の腺点の分布で区別できるとされていますが、Kさんの研究では連続的で明確には識別できないとのことでした。ただ、Kさんのデータを見せていただいて、気になることはヒメガマは集団によって花粉稔性が低い集団もあるということです。雑種化が複雑に起こっているのかもしれません。今後の研究に期待ですが、今のところは頑張って区別せずにヒメガマ=T. angustifoliaでいいのかな、と私は思います。
 ちなみにモウコガマT. laxmannii Lepech.は葉4mm程度、雌花に苞がないことではっきり認識できるとのこと。問題は外来種かどうか、ということですが、Kさんの認識では在来ではないかとのこと。各地の標本庫でヒメガマの標本を再調査する必要がありますね。北海道、東北地方の標本庫で頑張って探せばモウコガマの昔の標本が見つかるかも。
 勉強になりました。いやあ、水草もまだまだ研究すべき点がいっぱいありますね。