イヌノフグリVeronica polita Fr. subsp. lilacina (T.Yamaz.) T.Yamaz.を発見

 昨日、この前質問に来館された友の会会員のMさんから「博物館の近くにイヌノフグリが生えているなんて知りませんでした」というメールをもらいました。職場に5年も通っておきながら生育していることを全然知らなかったので、すぐにメールを返してイヌノフグリの場所を教えてもらいました。教えてもらった場所に行ってみるとおよそ20株程度生えていました。植え込みの石垣の間に上手いこと生えています。何年前からあるのかはわかりませんが、1997年にも別の離れた場所で採集されているので、細々と残っていたのかもしれません。もちろん、客土された土にまぎれていた可能性もあります。・・・ということで早速一部を標本にしました。
 イヌノフグリは全国的に絶滅が危惧されている植物です。外来種オオイヌノフグリが繁殖干渉(オオイヌノフグリの花粉がイヌノフグリにつくと自分の花粉がついても結実しなくなる。逆はする)することが知られています。これによって、イヌノフグリの分布が減少し、本来のハビタットから、現在の石垣などのハビタットに逃れたのではないかという説があります(私はハビタットの変化の部分には否定的です)。今日観察した感じでは既に多くが結実しており、オオイヌノフグリ(開花したて)よりも開花時期が早いようでした。