実験大詰め

 今日もK大で実験です。ほぼ終わりかと思いきや、もう1〜2回こなければいけなそう。
 栽培株の同定については17遺伝子座を調べ終わって、A社販売のシモツケコウホネ日光市シモツケコウホネのあるパッチと全く同じ遺伝子型でした。B社販売のシモツケコウホネ、ナガレコウホネ、ナガバベニコウホネは全て対立遺伝子が一緒で、同一クローン。葉緑体DNAはコウホネ型のハプロタイプを持つナガレコウホネです。値段は全部違うのに。佐野市のある川のクローンと完全に一致しました。今回調べた流通株はこの二箇所から採集したものであることに間違いないでしょう。
 近い将来にこのシモツケコウホネ同様、多くの貴重種の高解像度遺伝子型ライブラリーが整備されていくことでしょう。公開、非公開の議論は必要でしょうが、こういったデータベース作成にも大きいお金がついてプロジェクトが進んでいくのかなと思っています。研究や保全の基礎データになることはもちろんのこと、園芸植物の流通にも影響し、ランをはじめとする貴重種の盗掘を抑制することができるようになるでしょう。たぶん。