ミズアオイMonochoria korsakowii Regel et Maackの幼植物

ミズアオイの幼植物

 ミズアオイは現在、大阪府では一部に生育地が残るのみで、ほぼ絶滅に近い状態になっています。かつては淀川の周りの氾濫原や水田、水路には比較的普通にみられたようで、博物館の標本庫にも大阪市内の標本もそれなりに残っています。種子をたくさん作るし、種子の寿命も長いので(たぶん)、環境が改善され、土壌シードバンクを活用することができれば、ある程度復活させることができるのではないかと思っています。
 軽い気持ちで、プロジェクトYで送ってもらった一年前のミズアオイの乾燥標本から種子をとり、春にまいてみました。するとどうでしょう、みごとに発芽して、現在は幼植物まで成長しています。乾燥のさせ方や維持の仕方がよければ、種子の寿命が長いものは、絶滅してしまった集団の種子から個体群を復活させる、ということができるかもしれません。・・・とはいえ、30年も前の乾燥標本の種子からは発芽はやっぱりしてくれないんだろうなぁ。ものによっては薬剤薫蒸、冷凍薫蒸しているし・・・。
 2010年6月29日、自然史博物館実験圃場にて撮影。