学会事務局仕事とトキの勉強

 今日は日本植物分類学会の庶務幹事の仕事と、明日の講義の勉強で終わりました。
 二言返事で庶務幹事を引き受けたものの、これがまた結構大変。3月の全国大会が終わるまではバタバタしそうです。
 あとは明日の講義でトキの野生復帰の話をしようと思っているので、トキに関する文献を勉強しました。中国産トキを日本に再導入する根拠となった、中国産と日本産のトキのmtDNA多型を比較した論文がどう探しても出てきません。wikipediaのソースは本(朱鷺の国から)やwebニュースになっていて、本では「ミドリと洋洋のミトコンドリアDNAを分析し、全塩基配列でも0.065%のちがいしかない」とか「…全鳥捕獲されたキン、ミドリ、アオ、アカ、フクなど日本産のトキは「タイプ1」の系統だったが、1926年に佐渡市で死体で発見されたトキの複製だけは「タイプ2」と中国産と同じだった。…(中略)…別の剥製からは「タイプ3」「タイプ4」も見付かり、かつては多様な系統のトキが日本や大陸を行ったり来たりしていたことが考えられるという」と書いてあるだけで、結局具体的なデータが示されていませんでした。ちゃんとした論文として出ていないのでしょうか…。それとも意図的に公表していないのでしょうか??GeneBankにはmtDNAの全長の配列データはあるものの、別に日本と中国のものがどうの、というモノでもありませんし…。ちょっとよくわかりません。